2010年度のトピックス
口腔ケアーセミナー・・・2010年6月2日
大橋 三広(遊花園 リハビリテーション・言語聴覚士)
現在、遊花園に訪問歯科で来られているデンタルサポートさんより、口腔ケアに関するセミナーを5月と6月に開いて頂きました。
口腔ケアは虫歯にならないようにという為だけでなく、食事の際の飲み込む運動や舌の動きといった機能にも大きく関わってきますし、口の中が汚れている為に熱が出てしまうという事も考えられています。また、食べカスが口の中に残ったままですと、それを誤嚥してしまう危険があります。
人間は年を重ねるにつれ、身体だけでなく口の中の状況も変化していき、機能も低下していくものです。高齢者の口の中がどうなっているのかを見てみると、義歯を使用している方や残り数本の歯で食事をしている方等、人によって違いがあります。一見、歯がそろっているように見える高齢者でも、実は銀歯やかぶせ物の歯の中は虫歯に浸食されており、容易に取れてしまいそうな状況や、歯茎が痩せて歯がぐらぐらの状況の方もいます。
歯だけでなく、病気のせいで舌が麻痺してうまく動かない方や認知症のある方などは、口がゆすげないだけでなく、口をゆすいでも食物がいつまでも残っている事もあります。
また、歯や舌に大きな問題が見られない人でも唾液が出づらくなることがあります。薬の副作用で口が渇くということもあります。健常者でも口の中が渇いているときには食べづらいことは想像に難しくないかと思いますが、唾液というものは口の中に潤いを与え、細菌の繁殖を抑える効果もあります。高齢者の中には病気や障害の為に食事を摂れない方もおり、そのように食べていない方ほど口の中が渇いていますし、実は汚れていることが多いのです。口の中も粘膜で出来ていますので、ほおっておけば垢のように汚れは溜まります。人間はそのような垢を、唾液を分泌し洗い流しているものですから食事を口から摂っていない人にとっても、口腔ケアは重要になります。
遊花園の利用者様の中にも、歯がなく食物をうまく噛めない方や麻痺のせいでうまく口がゆすげない方、歯ブラシをうまく持てない方たちはもちろんいます。今回の口腔ケアセミナーでは、口腔ケアの重要性はもちろんの事、効果的な口のゆすぎ方や歯ブラシの使い方、簡単にできる顔のマッサージのやり方等を学ばせていただきました。学んだ事を実際に活かし、よりよいケアをご提供できるようスタッフ一同取り組んでいきたいと思います。
デンタルサポートさんのわかりやすい説明でした
今回は10名のスタッフが参加できました
現場ですぐに実践できる方法を学びました
顔マッサージの講習
避難訓練・・・2010年4月15日
加藤 晴由(遊花園 リハビリテーション・鍼灸マッサージ師)
防災担当委員の加藤晴由です。
遊花園では年4回(内2回は消防署立ち会い)避難訓練を実践しています。
ご利用者様の安全を守る為に、様々な時間帯(日中、夜間)を想定し行っています。
今回の訓練は4月ということもあり、新人職員の参加が多く、緊張感の中にもフレッシュさを感じられる避難訓練が出来ました。
又、ご利用者様にもご参加、ご協力をしていただき職員、ご利用者様が一体となった避難訓練が行えたと思います。
通常の訓練にとどまらず避難訓練を通し、今までに多くの経験をされて来た、ご利用者様の知識、体験談などをお聞きしコミュニケーションに役立てて行けたらと思います。
最近、施設での火災や自然災害のニュースを耳にする事が多く、とても他人事とは思えず「もし遊花園でおきてしまったら」と考えてしまいます。
「備えあれば うれいなし」と言う言葉がありますが、いざという時にしっかりと行動出来るように、また、ご利用者様の安全を最優先し、安心して過ごしていただけるように我々職員一人一人が防災に対して、常に意識して行く事が大切だと思います。
この気持ちを忘れずに今後も職員一同で取り組んで行きたいと思います。
所轄消防署との緊急電話
ご利用者様にもご協力いただきました
非難訓練の評価を消防署より受けます
消化器の消火訓練も行いました
ケーススタディ〜ノムダスハカルの取り組み~ 園内研修・・・2010年1月21日
市川 紀美子(遊花園 3階 介護職員)
遊花園では施設を挙げてノムダスハカルに取り組んでいます。
ノムダスハカルとは、
- ノム=食事、水分摂取量
- ダス=排便、排尿、不感蒸泄
- ハカル=超音波測定機ゆりりん(膀胱内の尿量を測定する機械)
を意味し、それらの測定を行い、そこからその方の生活のリズムや排泄サイン、食事嗜好等その方の生活すべてを読み取り、ケアにつなげるということです。
奥の深い内容なので、なかなか一言では申し上げにくいのですが、利用者様の尊厳あるトータルケアを行うためのツールとして使用します。
まず始めにシルバー総研が主催する、「認知症のある方への個別ケア 基礎研修会~排泄ケアからトータルケアへ 実践を踏まえて~」という研修に参加しました。そこで学んだ知識を共有するために園内でも研修を行い、職員全体が内容を理解し、ノムダスチームを中心に施設全体で取り組みをしています。
今回、平成22年1月21日に園内にてケーススタディの発表を行うということで、ノムダスチームの中で役割を決め、発表の準備をしてきました。
発表内容は目的、現在の取り組み、今後の課題に沿って取り組んできたことを発表していきました。
- 栄養士、食事委員では、一日の基本水分量1,500ml以上を摂取して頂くための工夫として、飲み物の種類、嗜好、コップを増やす取り組みと、食物繊維ファイバー服用者の食事と飲水摂取量のチェック。
- 生活サービス委員会では、尊厳ある排泄ケアを目的に、排泄用具の種類別使用量(おむつ、パット、パンツ)の実態調査、個々に合った排泄用具の検討、コスト面についての調査。
- ケーススタディでは、各フロアーで対象者を決めて、三日間ノムダスハカル調査を行い、調査データや気付きからアセスメントして、今後の取り組み、今後の課題をカンファレンスに組み込む。
- ケアマネージャーはカンファレンスで話し合われた内容からケアプランを作成、また、ご家族との連絡、相談。
- 看護師からは、下剤の調整、食物繊維ファイバーによる排便コントロール。対象者を決め、状態観察、調査を行い、カンファレンスに組み込む。
- 各フロアーの主任からは、ノムダスハカルを取り組んでからの職員の意識変化についての調査。
といった様子で発表を行いました。

園内研修を終えて、これは普段の業務の中でも言えることですが、どのセクションにおいても、そこだけやろうとしてもできることではなかったなと思いました。 職員同士のコミュニケーション、他職種との連携、知識を共有することで、利用者様を深く理解することができ、より質の良いケアが望めると改めて実感しました。
今回のケーススタディ対象者のK.I様に関しましては、ファイバー服用している方で、一日の水分量1,500mlを摂取していましたが、顔のむくみが出現し、カンファレンスの話し合いから1,000~1,200mlに変更し、現在は様子観察を行っています。排尿に関しましては、パットに出ていることもありますが、あくまでもトイレでの排尿が目的なので少し長めに便器に腰かけてもらうように現在行っています。 また、ケアマネージャーは、ご家族との連絡で、「外出のときなど歩ける力が残っていたらありがたい。」との意向を受け、ケアプランを組んでいます。腰痛のある方ですが、K.I様が負担にならないようにチームで協力して、連携を取り合って残存機能を今後も維持できるよう支援していきたいと思いました。
ノムダスハカルの取り組みを行ってから、各フロアーの主任が職員に調査を行ってみました。そこで分かったことは、ノムダスハカルに取り組んでから大きく変わったのは職員の意識変化でした。
これはその一部です。
- 水分摂取に関して
- 水分摂取の大切さがわかった。
- どうすれば摂取できるのか考えるようになった。(いつ、どんなものが飲みたいのか)
- 排泄量からHr間隔や排泄状況を確認して水分摂取を促した。
- 利用者様それぞれの必要な水分量は違う。
- 排泄に関して
- 一人一人の排泄パターンがつかめればいいのだが…
- 時間に追われ十分に座っていただくことができない現状もあるが、トイレに座ることの大切さがわかった。
- トイレ頻回の方に対して「ちょっと待ってて。」「さっき行ったでしょ。」の声が減った。
- その方の行動や精神面に対して「なぜ?」「どうしたいのか」を考え理解しようとする意識が出てきている。(認知面の低下によりトイレに行った事を忘れたり、残尿感がありすぐ行きたくなる等々)
- ファイバー服用の取り組みを行って、下剤を服用せず、自排便が出来る方が増えた。
- その他
- 職員間のコミュニケーションが増えた(フロアー会議等でも各居担から利用者についての情報交換や、どうしたらいいのか?等、話し合うことが増えた。)
- 取り組みをしてもその後のフォローが十分でない。
一部を抜粋してみても、こんなに大きい成果があったことに気付かされました。 職員の意識に変化があり、素晴らしいことだと思います。
今思うと、園内研修のとき、利用者様の成果のことばかりに気がいってしまい、他にもこんなに大きい成果がいっぱいあったのに、淡々と終わってしまいました。
もっとみんなで喜びを分かち合えばよかったー!!
次回の会議ではそれも励みにしたいと思います!!
実際の業務の中で行う難しさ、目に見える成果の低さなど、まだまだ課題はありますが、田中とも江先生から研修で学んだことを現場で活かせるよう、まず出来ることから工夫、改善していきたいと思います。
また、利用者様、ご家族様、地域の方との信頼関係が築けるよう、自分だったら、自分の親だったらと利用者様の気持ちになって利用者様の尊厳をお守りし、快適な生活が送ることで利用者様と笑顔で喜びを分かち合えるように、これからも職員が一丸となって、知識を共有し、チーム力を養い、利用者様の状態に合った支援が出来るよう、質の向上を目指していきたいと思います。
ありがとうございました。
田中とも江さん、遊花園を訪問・・・2010年1月21日
中村 薫(遊花園 療養課長・看護師)
田中とも江さんが来園され、第三者の立場での貴重なご意見をいただきました。
■ ご利用者様にとって、ここは生活の場であるとういこと。
■ 環境の大切さ。
■ 食事=食べることの大切さ。
ご利用者様の側に立った物の見方、考え方をする事など、解ってはいても日々の業務に追われている事を理由に見逃していた点や、慣れっこになってしまって何気なくとってしまっている行動等、ハッと気づかされた事が多くありました。
一番大切な「人の尊厳」、この事を常に心に置き、より快適な生活の場を提供できる様、スタッフ一同少しでも歩みを進めて行きたいと思います。

園内をビデオ撮影しながら視察されました
常にご利用者さまの目線に立ち話されていました
田中さんより様々な評価をうかがいました
スタッフとの意見交換



